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開院報告

【担当】福田恒輝

長年勤めていた香川大学を退職し、高松市でクリニックを開業しました。

開業するのが大変だという事は、諸先輩方から嫌という程聞かされていましたが、網膜硝子体グループの後輩である藤田先生から「先生、もういなくなってもいいですよ。」とうれしい(?)言葉に背中を押され、丁度土地が決まったこともあって、決意しました。開業地が決定してから近くの眼科クリニックを見学して回らせていただきましたが、開業後に何が一番大変かとの問いに、ほとんど全員の院長が「人事」との返答。そんなんスタッフの育て方の問題やん、と軽い気持ちで構えていました。ところが、開院3日前にそれまで1ヶ月半の間、一緒に研修していた事務員が突然辞めたいと言い出し、「これかー!」と思いました。人の扱い程難しいものはなく、辻川先生が香川大学眼科医局に赴任されてからのご苦労は察するにあまりあります。辞めた人間が言える義理ではありませんが・・・すみません。

開業してからクリニックの役割というものを考えつづけていますが、やはり大学時代に比べて患者との距離が近いと感じています。大学時代は次回診察は数か月単位先で予約を取っていましたが、今では「来週きてねー」と言えます。もちろん診察対象となる疾患の違いもあるので一概には言えませんが、外来診察日のしばりもなく、自由に予約できるというのが開業した事の一つのメリットでしょうか。丁寧に診察を行って、判らない症例はきっちり大学に送って診てもらい、本当に患者さんの利益だけを追求したいと思っています。

当院の自慢は手術顕微鏡です。Zeiss社のlumera700を購入しました。これは眼科手術をする人間なら違いがすぐにわかっていただけると思いますが、見え方が全然違います。大学時代にいろんな施設で手術をする機会がありましたが、圧倒的に良く見えます。決して安くはありませんが、快適に手術ができるのなら…と思い購入しました。

まだ開業して間もないために、診療スタイルは試行錯誤ですが、患者さんに喜ばれるように進化を続けたいと思っています。

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