2月25日にリーガホテルゼスト高松にて、第85回香川大学眼科研究会が行われました。
今回も3名のご高名な先生方をお招きし、神経眼科、緑内障、眼表面疾患の幅広い分野の貴重な講演を拝聴することができました。
1.「日常臨床に役立つ神経眼科」
眼科三宅病院 前久保 知行 医長
神経眼科疾患は診断に至るまで、瞳孔、眼瞼、視野、複視、眼底など多くの点に注意し検査する必要があり、特に左右の瞳孔径などわずかな差は見逃しそうではありますが、どの点も重要な診断要素であることが分かりました。
私が普段あまり触れることのないHorner症候群や眼瞼痙攣など症例をふまえてわかりやすくお話しくださり、非常に勉強になりました。
2.「緑内障の診断と治療について」
御池眼科池田クリニック 池田 陽子 院長
緑内障患者の治療は眼圧が低い冬に開始することが多いという実際のデータをふまえたお話や、眼圧が1mmHg下がるだけでも視野障害が13%も減少することなど、緑内障患者と日々向き合っていらっしゃる池田先生だからこそのお話を多く拝聴することができました。
また、先生は現在緑内障の遺伝子についても研究されており、将来的にはオーダーメイド治療が可能になるかもしれないという最新の研究内容までお話くださり、驚きとともに期待が膨らみました。
3.「瞬目関連疾患―摩擦による眼表面疾患の謎に迫る」
愛媛大学医学部 眼科学 白石 敦 教授
主にLid-Wiper Epitheliopathy(LWE)の眼瞼圧についてお話くださり、眼瞼圧という言葉を私は今回初めて耳にしたため大変興味深いものでした。
下方の角結膜上皮障害には眼瞼圧が関与しており、その眼瞼圧は定量も可能ということに驚きました。
また工学部と眼表面摩擦測定機器の共同開発も試みておられるようで、医学は進歩しているのだと痛感致しました。
辻川先生は香川大学の教授としての最後の任務がこの研究会の座長だったようです。
医局からの送別品のひとつであるうどん柄のネクタイをお召しになられており、とてもよくお似合いでした。
情報交換会もいつも以上に温かな雰囲気に包まれ、有意義な時間を過ごすことができました。