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眼科初期研修レポート

【担当】佐々木瞳

研修医1年目の佐々木と申します。5月中旬から8月中旬までの3ヶ月間、眼科で研修させていただきました。学生時代のポリクリ、スーポリでも眼科で実習させていただいたのですが、その時は正直、眼科学というものにほとんど興味がありませんでした(申し訳ございません(;_;))。当時の教授であった辻川先生がおっしゃっていた「他の診療科に比べて早く帰れる!」「女性医師でも働きやすい環境!」「将来、開業しやすい!」という自分に都合のいいお言葉だけを鵜呑みにして眼科での研修を選択しました。

そんな私は研修初日から英語表記のカルテやスリットランプの使い方に苦戦し、3ヶ月やっていけるのか不安しかありませんでした。研修医の役割は、外来で初診の患者さんの予診をとり必要な検査をオーダーすること、手術で第一助手をさせていただくこと、受け持ち患者さんを毎日病棟で診察すること…などなど幅広い業務に関わらせていただきました。

そして眼科で3ヶ月過ごさせていただいた今、あの甘い誘い文句は実際のところどうなのか、というのを自分なりに考えてみました。

まず「他の診療科に比べて早く帰れる!」という件ですが、これは確かにそうだったなあと思いました。しかし他の診療科に比べて患者数が少ないとか仕事量が少ないということでは決してありません。毎日、外来の待合スペースにはあふれんばかりの患者さんが待っています。朝から夕方近くまで嵐のような忙しさで外来業務や手術が行われ、その後は病棟の患者さんの診察や処置が待っています。私たち研修医は指導医の先生方の優しさに甘えお昼休憩をいただいていましたが、他の先生方やORTの先生方はいつ休んでいるのか分からないほどでした。一日の中で朝から夕方までにぎゅーっと詰めて業務を行っているからこそ早く仕事を終えることができているのだと感じました。
次に「女性医師でも働きやすい環境!」というのも納得でした。これは上に述べた早く帰れることに加えて、医局の皆さんの協力があってこそだと思います。子育てをしながら勤務されている女性医師がたくさんいらっしゃり、お子さんの突然のトラブルで仕事を抜けなければならなくなったとき、周りの先生方がみんなで穴を埋めるというような態勢がとられていました。それぞれの日々の頑張りと信頼関係があってこそ成り立つ環境だなと思いました。
最後に「将来、開業しやすい!」という件ですがこれについては、正直まだ分かりません。しかし、研修医でも1ヶ月程経った頃から手術の第一助手をさせていただけたり、毎月ウェットラボで豚の眼を使って白内障手術の練習をする機会を与えていただいたりということもあり、手術での独り立ちは他の診療科に比べるとかなり早いと思われます。

…というように、ここには書き切れませんが眼科の良いところがたくさん見えた3ヶ月でした。また、眼科学にほとんど興味のなかった私ですが、スリットランプが使えるようになったり倒像鏡で眼底が見えてきたり眼圧が測れたりすると、入院患者さんの日々の所見をとるのが楽しみになってきました。ちょっとした疑問点も上の先生方にすぐに聞くことができ、お忙しい中でも嫌な顔一つせず丁寧に教えてくださったのも眼科学に興味がわいた要因の1つです。そして飲み会やお食事にもよくお誘いいただき、先生方のプライベートのお話も伺い、お仕事もプライベートも充実している先生方は本当に素敵で私の憧れです。

最後に、何もできなかった私がほんのちょこっとだけですが眼科医っぽいことができるようになったのは根気よくご指導くださった先生方、ORTの先生方、看護師さんの皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。