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勤続20周年に際しまして

【担当】森田 美沙子

思い起こせば、どうして香川大学に入職することになったのか。
高校生の時、視能訓練士になりたい私と、県内大学に進学させたい両親との進路を巡っての何回目かのバトル時に、母方の叔母が住む神戸なら出してもいい、ただし卒業後は徳島、少なくとも四国には戻ってくるように、と両親が譲歩してくれた形で進学した養成校教務主任の先生は、お年を召されてもなお、お嬢様のような空気感を纏っていらっしゃいました。そんな教務主任が、就職と国試を控えた3年生の夏、私のP H S(当時は携帯はまだ普及していない)に「四国の実習先訪問をするから、あなたも一緒に来なさい」と連絡が入り、なぜ私が行かねばならないのだろうと思いましたが、先生も一人で寂しいのかな、話し相手でもなってあげようかと先生の車に同乗し、着いた先が香川大学でした。
そして、その場が、当時の教授である長谷川先生との面接だったのです。私だけが置いてけぼりのその面接で、私の就職先が決まったのでした。
それから、20年が経つだなんて、自分でも驚きを隠せません。たくさんたくさんいろんなことがありました。以前は、女性医師、視能訓練士とも育児休暇は取りづらく、私も取りませんでしたが、その時、同じ境遇だった蔭山先生が親身になってくれ、秘書の芥さんは有給日数を計算しながら産後間もない私をできるだけ休ませるには、と考えてくれました。同期の田中先生の存在や、しんどい時にそばにいてくれた村田先生、取り止めのない話をよく聞いてくれた野本先生、星川先生、ソウルメイトの太根先生、書ききれませんが、たくさんの方々が私の気持ちに寄り添ってくれたから今があるのだと、周囲のみなさまへ改めて感謝申し上げます。
今は、従前の大学の仕事と家庭とに、視能訓練士協会の理事の仕事が加わり、仕事については要領は悪くはないと思いますが、視能訓練士のみんなからは私が無理をしていないかと、とても心配してくれています。特に、真鍋と八木からはよく声をかけてもらうので、心配をかけているのだろうな、と思います。
今年は第64回日本視能矯正学会の学会長を拝命しております。名誉学会長の鈴間先生には一言で言い表せないくらい力になってもらっています。山下先生からもご助言いただきつつ、眼科医会会長小路先生、同門の先生方にもお力添えを賜りながら、鋭意準備中です。
周囲の支えと理解、優しさをもらいながら歩んできた20年を、今後は周囲の皆様に還元できるよう、してきてもらったことを次は私がみんなにできるように、感謝の気持ちを忘れずに邁進してまいります。