今年のAAOは10月12-15日(Subspecialty Dayは11-12日)の日程でサンフランシスコにて行われた。サンフランシスコは皆が憧れる町で、日本からUCバークレーに留学中の先生の話では、最近ではニューヨークよりも家賃が高いらしい。港町として栄えたサンフランシスコは、カニやロブスターなどの海鮮グルメも名物。また、サンフランシスコ郊外のシリコンバレーは、IT産業の一大拠点として発展しており、現在はアップルやグーグル、インテルなどの世界的IT企業が本社を構えている。フルハウスという人気アメリカドラマの舞台でもあった。私が初めてサンフランシスコを訪れたのは2009年の同じくAAOの時で、数あるアメリカの都市の中でも程よい規模で気候も良く非常に住みやい印象を持ったのを覚えている。
Subspecialty Dayは角膜、屈折矯正手術、網膜、緑内障、眼形成、小児眼科、ぶどう膜炎、腫瘍病理の8つの専門分野に分かれて行われる教育講演で、網膜の会場では二日間にわたり、網膜硝子体手術、メディカルレチナ、小児レチナ、イメージング、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、と網膜全分野の知識のアップデートをすることができる。
今年一番の注目は加齢黄斑変性や糖尿病黄斑浮腫に対する抗VEGF療法の遺伝子治療の治験がよい成績を収めているという報告であった。1990年代に遺伝子治療の研究が始まったころは眼科分野だけでなく多くの疾患に対して期待されたがほとんど実用化されなかった。物理的、免疫的に閉鎖空間である眼内での遺伝子治療が発展したのはある意味、必然だったのかもしれない。
今年から登録はオンラインだけになりコングレスバッグがなくなり、Eポスターが始まった。AAOもエコの方向に進んでいるようである。
来年はラスベガスです。乾燥するけど楽しい所なので皆で参加しましょう!
写真は開会前の網膜Subspecialty Dayの会場とワインです。