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活動レポート

第82回香川大学眼科研究会

【記事区分】大会・学会・勉強会
【担当】白神千恵子
【日程】2015年10月3日

今年の秋の香川大学眼科研究会は、3名の著名な講師の先生方を招待して、黄斑疾患、神経眼科、感染症についての基礎から臨床まで、多分野にわたり非常にためになるお話を拝聴できました。

【講演の要旨】
特別講演1 加齢黄斑変性に対する治療戦略
      慶應義塾大学医学部眼科学教室専任講師 小沢洋子先生
本邦における高齢化社会おいて加齢黄斑変性の症例は増加している一方、中心視野を障害され視力予後の不良であることがたいへん問題となっており、診断機器を用いた早期発見早期治療と、抗血管内皮増殖因子薬硝子体内注射と光線力学的療法を駆使して長期的に治療が行われているが、薬剤耐性など新たな課題も明らかになりつつある。最近ではiPS細胞の加齢黄斑変性への臨床応用に期待が集まっているが、実現するためにはまだ相当な段階が必要である。

特別講演2 眼球運動障害の臨床
      京都医療生協・中野眼科本院センター長 宮本和明先生
眼球運動障害は神経眼科領域の疾患の中で非常に大きな割合を占め、緊急対応が要求される重要な疾患である。しかし、眼球運動障害は目の症状にあるにかかわらず、原因は眼球外の異常に起因していることがほとんどで、診断には眼科領域以外の多くの専門知識が必要である。そこで、目の所見別に眼球運動障害の診断の方法、治療について、非常に分かりやすく説明していただいた。

特別講演3 眼感染症の話題
      近畿大学医学部眼科学教室主任教授 下村嘉一先生
眼感染症を起こす微生物にはウイルス、細菌、真菌、アメーバなどがある。最近ではPCRを用いて炎症の原因を調べる方法が有効とされている。その他、コンタクトレンズが原因となる角膜感染症の診断治療について日常診療に直結する内容をご講演くださった。

本研究会には71名の聴講者が参加され、大盛況に終わりました。

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