トップページ  > 特別コンテンツ  > 第91回 香川大学眼科研究会
活動レポート

第91回 香川大学眼科研究会

【記事区分】大会・学会・勉強会
【担当】寒川 実鈴
【日程】2019年11月16日

11月16日にJRクレメント高松で開催された香川大学眼科研究会に参加してきました。

Opening Remarks
香川大学医学部自立機能生理学 教授 平野 勝也 先生より
「血液凝固系と血管壁の相互作用:新たな治療標的を拓く」 についてご講演頂きました。

プロテイナーゼ活性型受容体の基礎や、PAR₁を標的とする新たな肺高血圧治療戦略、内皮細胞のバリアー障害の初期事情などについてご講演頂きました。抗VEGF薬の血管透過性亢進のトロンビン作用は、血液凝固に良い影響を与えることが、これからの眼科において重要になってくると分かりました。日常ではあまり触れることのないような内容のご講演を聞くことができ、とても勉強になりました。

特別講演
1 「眼瞼炎を斬る!」 
東邦大学医療センター大森病院 眼疾患先端治療寄付講座 准教授 いしづち眼科 鈴木 崇 先生

眼瞼における症状や臨床所見はよく遭遇し、多岐にわたります。その中で確実な診断をするために、細菌による眼瞼炎を、1.眼瞼皮膚炎 2.前部眼瞼炎 3.後部眼瞼炎 の3つに大きく分類したフローチャートを提示しながら、あらゆる症例の説明をしていただきました。特に気になったのが、人間の顔に潜んでいる“ニキビダニ:Demodex”についてです。不潔・脂質異常などが原因で睫毛にも潜むことがあるそうです。このDemodexの映像はかなり衝撃の強いものらしく、疲れた時や刺激が欲しいときに見るのがオススメだと鈴木先生が仰っていたので、私も疲れた時に見てみようと思いました。

2 「いま、そして、これからの糖尿病網膜症診療」
大阪大学大学院医学系研究科 資格情報制御学 寄附講座教授 川崎 良 先生

糖尿病患者の3人に1人は糖尿病網膜症、9人に1人は視力を脅かす網膜症疾患を有しているという現状にあります。また、重症低血糖を経験した患者は糖尿病網膜症になる危険が4.35倍にも上がってしまうそうです。
このように、糖尿病によって牽引される網膜症が増加するなかで 「自分の病状を知る」 ことは糖尿病網膜症の予防として重要なことだとご講演していただきました。自らの疾患をより深く理解するために、病状・病態・改善方法・プログラムを説明し、自分の眼底写真を見せながら、どこがどのように悪いのか、なども一緒に説明することでHbA1Cの低下を促し、予防に繋がるということが分かりました。

3 「日本の網膜剥離の現状について」
鹿児島大学医学部眼科学教室 教授 坂本 泰二 先生

坂本先生には、多くの症例を提示しながらご講演していただきました。網膜剥離によって傷ついた細胞からヒストンが放出されてしまい、その有害作用により硝子体の防御作用を大幅に減少させ、眼内環境に大きく影響してしまうことが分かりました。また、これからの眼科医療についての考えもお話していただきました。“医療は国民の健康を守るのに必要不可欠だけでなく、国家戦略資源である” “医療情報の重要性” “AI産業流出のみではなく、社会貢献のための医療を忘れず大切にしていく必要がある” 私は、まだ医療人になったばかりですが、社会貢献の医療と初心を忘れず医療現場に携わっていこうと思えました。

3名のご高名な先生方のご講演を拝聴することができました。普段では聞けないような研究内容のものばかりで、大変勉強になりました。また、視能訓練士として患者さんのための医療を忘れないように心がけたいと思います。

研究会後の情報交換会では、いつものように牛肉やホタテ、甘そうなスイーツなど豪華な食材がたくさん並んでおり、お腹がいっぱいになるまで食べてしまいました。とても美味しかったです。