ご高名な先生方の講演を、高松で拝聴できます香川大学眼科研究会へ参加してまいりました。
今回のプログラムを拝見したときに、今回はぜったいはずせない。我が子たちには母はたくさんお勉強してくるから土曜日に行かせてちょうだいね、とお願いしてこの日がくるのをわくわくしながら待っていたその内容は・・・
1.「やっぱり硝子体手術?」
東京医科大学八王子医療センター 志村雅彦教授
志村先生のご講演のなかに硝子体手術の映像が宝石のように散りばめられており、医師ではない視能訓練士であるわたしからみると終始見て楽しく、魅せられて楽しいものでありました。MHの手術ビデオでの内境界膜を剥離するシーンを繰り返し観たい。
2.「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞移植」
神戸市立医療センター中央市民病院 栗本康夫部長
iPS細胞より作製したRPE細胞シートを網膜下に移植する臨床研究をスタートされた栗本先生が、一例目の経過を呈示しながらお話しくださいました。ひとことに移植と言っても、薄いRPE細胞シートを網膜下へ届けるためのツールの開発や、たくさんの有能な先生方によるたくさんのプロセスとご尽力を経て一例目の移植が可能となったことを改めて知ることができました。
3.「角膜疾患の治療法アップデート」
京都府立医大感覚未来医療学 木下茂教授
不勉強ながら、角膜内皮疾患へのアプローチにDSAEKに代表される角膜内皮移植が登場していることにとても驚きました。角膜後面のみへ作用するため移植後の乱視の程度が少なく、また、感染症のおそれも低いとのこと。木下先生のご講演ではいろいろな角膜疾患の所見と治療についてお話しされており、睡魔におそわれることなくスライドにくぎ付けでした。
帰途についたわたしのこころに強くのこった、演者の栗本先生が語ってくださった若かりしころの辻川教授の姿。「辻川先生は雑用をさっと僕から取っていった。」
きっと雑用を雑用と思わずに丁寧にお仕事をされていたんだろうな、いまの教授を作っているのはこういった姿勢なのだとあったかい気持ちにもなった、第81回香川大学眼科研究会でした。