第63回日本網膜硝子体学総会が大阪国際会議場にて開催され、行って参りました。鈴間教授は座長として、多田羅、川島がポスター展示、中野先生が英語口演での参加となりました。全体に新進の研究としては変性疾患等への遺伝子解析や移植による治療を目指したものが多い印象を受けました。実際、中野先生の発表も移植研究に用いるラットへの網膜下注射デバイスの開発に関するものでした。移植と一言でまとめるにも、細胞をシート状にしたりヒモ状にしたり、細胞生着を阻害する双極細胞をノックアウトしてみたり、様々な工夫が検討されていて非常に興味深い内容が多かったです。自分の実臨床でも萎縮型加齢黄斑変性や網膜色素変性症は比較的見かけます。変性疾患への治療といえば遺伝性網膜ジストロフィーへのルクスターナ承認が記憶に新しいですが、これらの疾患でも何かしらの治療方法が今後でてきたら嬉しいですね。
また初日では第一会場口演はほとんど英語となっており、自分のリスニング力を恨みながらスライドを必死に目で追うこととなりました。あまり馴染みのない治療として、網膜剥離に対するpneumatic retinopexy単独治療はシンポジウム題材にも取り上げられていました。硝子体手術と比べて復位率が劣らないかという点については心配ですが、症例を選べば侵襲の低さが魅力的と感じます。
自身のポスターは今年度発売のアイリーア8mgの切り替え後短期効果のまとめでした。黄斑グループの先生方のご協力もあり比較的平易にまとめることができたおかげで質疑応答も無事乗り切ることができました。皆様ありがとうございます。
学術展示では教科書で小さくしか書いてないような珍しい疾患の報告も散見され、心を惹かれるものがありました。
学会二日目の夜は鈴間先生に食事に連れて行っていただきました。教授イチオシのすっぽん鍋をいただき大変満足でございました。また連れて行っていただけるのを心待ちにするばかりでございます。
学会は学ぶものばかりで充実した3日間でした。次は糖尿病眼学会なので頑張って準備していきたいと思います。